2025年の副業はどう変わる?今から備える副業の未来予想図

コラム
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はじめに

近年、日本では副業が大きな注目を集めています。政府の働き方改革の推進や企業の副業解禁の動きも相まって、「一つの会社に縛られない働き方」を選ぶ人が増えています。コロナ禍を経てリモートワークが普及し、時間や場所にとらわれずに働く環境が整いつつあることも、副業への関心の高まりを後押ししています。

2025年現在、副業はますます身近な存在となってきました。副業収入が月5万円以下という人が依然として多数を占める一方で、積極的に副業を行い、本業並み、あるいはそれ以上の収入を得るケースも散見されます。本記事では、2025年時点での副業のトレンド・種類・メリットやデメリット、そして法律や税金面における注意点を、具体的な事例や調査結果を交えながら解説します。これから副業を始めたい方、すでに副業をしていてさらにステップアップを考えている方にとって、有益な情報をまとめました。


副業の現状

副業人口と収入水準

あべの経済新聞の調査(2025年)によると、副業収入が月5万円以下の割合は約89.5%にのぼるそうです。大半の人は副業を「本業を補う」レベルの収入源として活用していますが、中には副業を本格化させて将来的に独立・起業を目指している人もいます。マイナビウーマンの記事では、副業を始める目的として「収入増加」が約9割を占めると報告されています。

もちろん副業の収入水準は個人のスキルや取り組むビジネスモデル、コミットできる時間量に左右されるため、ひと口に「月5万円以下」といっても内情は様々です。土日のみのアルバイト感覚で取り組む人もいれば、平日の夜や隙間時間をフル活用して月10万円以上を稼ぐ人もいるでしょう。

副業に対する企業や社会の動向

Hrogのレポートによると、企業もフリーランスや副業人材の活用を進めるケースが増えているとのことです。とりわけITやクリエイティブ系の仕事では、特定のプロジェクトごとに副業人材を募ることで、専門スキルを持つ人材を効率よく確保できます。企業側は固定費を抑えられ、副業人材側は複数の案件を掛け持ちできるため、双方にメリットがあります。

政府が副業解禁を推奨する姿勢を打ち出していることもあり、「本業だけでなく副業も行うのが当たり前」という雰囲気が徐々に社会に根づきつつあります。


2025年の副業トレンド

1. スキルアップを目的とした副業の増加

最近は「ただ副収入を得る」だけでなく、「新しいスキルを身につけて将来の糧にしたい」という理由で副業を始める人が増えています。特にオンライン系の副業は、Webライティングやプログラミング、Webデザインなど、習得したスキルを本業にも活かしやすいのが魅力です。

2. 地方企業とのマッチング

地方企業と都市部の副業人材を結びつけるプラットフォームが増えています。lotsful magazineのインタビューでも、地方自治体と人材会社が連携し、都市部の専門家がリモートで地方企業の業務をサポートする事例が紹介されています。これにより、地方の雇用や経済を活性化させるだけでなく、自分のスキルを多様な場で試せる機会が増えるメリットがあります。

3. 副業支援サービスの充実

副業マッチングサイトや確定申告サポートなど、これから副業を始める人を支援するサービスが充実してきました。副業専用のコミュニティプラットフォームも増え、独りで試行錯誤するのではなく、同じ志を持つ仲間と情報交換しながら進められる環境が整っています。

4. 複業の広がり

ランサーズ株式会社が発表した「The 副業・複業ファイル」でも示されている通り、副業を複数掛け持ちする「複業」というスタイルが広まりを見せています。本業+αの副業にとどまらず、「本業+複数の副業」で多様な収益源を確保する働き方です。リスク分散としてだけでなく、さまざまな仕事を同時に経験することで得られる学びや人脈形成にも大きな意義があります。


副業の種類

副業と一口にいっても、実に多種多様な形態があります。ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。

  1. オンライン系
    Webライター、Webデザイナー、プログラマー、オンライン講師、動画編集者など。ネット環境さえあれば、自宅でできる仕事が中心です。
    • メリット: 場所や時間を選ばず取り組みやすい。案件数が豊富。
    • デメリット: スキル習得にはある程度の勉強時間が必要。競合が多い場合は単価が下がりがち。
  2. 販売系
    ネットショップ運営、アフィリエイト、せどり(転売)、不用品販売など。
    • メリット: 初期費用が比較的低く始めやすいものも多い。自分の持つ商品や知識を活かせる。
    • デメリット: 在庫を抱えるリスクや、プラットフォームへの出品手数料などのコストがかさむ場合がある。売上が不安定になりやすい。
  3. 労働系
    アルバイト、データ入力、治験、引っ越し作業、イベントスタッフなど。
    • メリット: スキル不要・即日スタートできる案件が多い。収入がすぐ見込める。
    • デメリット: 時給制が多く、大きく稼ぐのは難しい。肉体労働系は体力的な負担が大きい。
  4. 投資系
    株式投資、FX、不動産投資、仮想通貨など。
    • メリット: 資金がある程度あれば、労働時間に依存しない収入が得られる可能性。
    • デメリット: 元本割れリスクがあり、知識や経験が不足していると損失を被りやすい。
  5. スキル系
    ネイリスト、セミナー講師、Webマーケター、翻訳・通訳など。
    • メリット: 専門スキルを活かせるため、単価が高いことが多い。
    • デメリット: 資格や実績が必要になる場合が多い。

副業のメリット・デメリット

メリット

  1. 収入増加
    本業だけの収入では不安な人にとっては大きな安心材料になります。月に数万円でも増えることで貯蓄や投資に回す余裕が生まれ、将来の備えになります。
  2. スキルアップ
    新しい知識や技術を身につけるチャンス。本業に還元できれば、自身の市場価値が高まりキャリアアップの可能性も広がります。
  3. 自己実現
    本業が自分のやりたいことと必ずしも一致しているわけではありません。副業で好きな分野に挑戦し、やりがいや充実感を得る人は少なくありません。
  4. 人脈形成
    副業先や関連コミュニティで出会った人脈が、本業や新たな副業でのビジネスチャンスにつながる場合もあります。
  5. 時間管理能力の向上
    本業と副業を両立するには効率的な時間の使い方が不可欠。結果的に仕事の段取りがうまくなり、プライベートとのバランスを取りやすくなります。
  6. 起業の準備
    副業として小さく始め、軌道に乗ったら独立するというステップアップは、リスクを抑えつつ起業を目指すのに有効です。

デメリット

  1. 時間的拘束・疲労
    本業に加えて副業の時間を確保する必要があるため、自由時間が削られがちです。睡眠時間を削って続けると体力・集中力が低下するリスクも。
  2. 健康への影響
    過度の労働は、ストレスや睡眠不足を招き、体調不良やメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことがあります。
  3. 本業への影響
    副業に集中しすぎて本業のパフォーマンスが落ちると、評価の低下や人事上の不利につながりかねません。
  4. 人間関係のトラブル
    職場の同僚や上司が副業に対して否定的な場合、職場の雰囲気が悪化する恐れがあります。副業内容によっては社内規定に抵触するおそれも。
  5. 税金・社会保険の対応
    副業で一定以上の収入を得ると、確定申告が必要になります。住民税や社会保険料の増加についてもしっかり把握しておく必要があります。

副業を始めるにあたって

1. 就業規則の確認

企業によっては就業規則で副業を制限・禁止している場合があります。ただし、法的には合理的な理由がない限り、副業を一律に制限することは難しいとされています。とはいえ、会社の機密情報や顧客情報を扱う職種の副業は制限されやすいので、着手前に就業規則をチェックしましょう。

2. 労働時間の管理

本業と副業を合わせた労働時間が過度になりすぎないように注意が必要です。労働基準法では労働時間や休日に関する定めがあります。本業と副業それぞれの勤務先で労働時間を把握するのは難しい場合もありますが、自分自身でタイムマネジメントを徹底しましょう。

3. 税金・社会保険

副業で得た収入が20万円を超えると確定申告が必要になります。給与所得者であっても副業の所得が一定額を超えると、住民税や健康保険、年金の負担額が変わる場合があるため、早い段階でシミュレーションしておくと安心です。

4. 目標設定と計画

副業をする目的や目標を明確にしておくと、モチベーションを維持しやすくなります。ただなんとなく「収入が増えればいい」と始めると、結果的に疲弊して続かないケースも多いです。いつまでにどの程度の収入を目指すのか、そのためにはどんなスキルや経験が必要かを具体的に計画することが大切です。


副業に関する法律

  • 労働基準法: 労働時間や休日、賃金などの最低基準を定めた法律。本業と副業でのトータル勤務時間が法定超過にならないように注意。
  • 労働契約法: 労働契約について定めた法律。一般的には企業は従業員の副業を一律に禁止することは認められない方向性です。
  • 国家公務員法・地方公務員法: 公務員の副業・兼業は厳しく制限されており、原則として許可が必要です。

副業に関する税金

  • 確定申告: 副業の所得(収入-経費)が1年間で20万円を超えた場合、給与所得者でも確定申告が必要となります。
  • 所得税: 副業で得た所得に対して所得税がかかります。課税額は所得に応じて累進課税となり、5%~45%まで段階的に変わります。
  • 住民税: 副業の所得額に応じて増減します。住民税が増えると、本業の会社に「副業をしているのでは?」と気づかれるきっかけになることもあります。

副業支援サービス・プラットフォーム

副業マッチングサイト

  • SOKUDANクラウドリンクスlotsfulなどの総合型マッチングサイト
    様々な職種の副業案件が集まりやすく、初心者にもおすすめ。
  • レバテックフリーランス(エンジニア向け)ReDesigner(Webデザイナー向け)・**カイコク(マーケター向け)**などの職種特化型マッチングサイト
    高度なスキルを持つ人は、単価の高い案件にアプローチしやすい。

地方企業とのマッチングサイト

  • Skill Shift: 都市部の人材と地方企業をつなぐ。
  • YOSOMON!: オンライン完結で地方企業の課題解決に取り組める。

スキルシェアサービス

  • ココナラタイムチケット: 自分の得意分野をサービスとして出品。顧客から依頼があれば案件が成立する仕組み。

クラウドソーシング

  • クラウドワークスランサーズ: Webライティングやプログラミング、デザインなど、オンラインで仕事を受注できる代表的なプラットフォーム。

これらのサービスを活用すると、自分のスキルや経験を最大限に活かせる副業案件を見つけやすくなります。また、副業の始め方や確定申告に関するサポート、各種コミュニティの活用など、副業に取り組む上でのさまざまな不安を解消してくれる仕組みが整っています。


実際に副業をしている人の体験談

副業をしている人の声をいくつかまとめると、以下のような傾向が見えてきます。

  1. 収入増加
    「月5万円の副業収入が家計をサポートしてくれるおかげで、生活に余裕が出た」という意見が多いです。中にはエンジニアなど高単価案件を扱い、本業と同等の報酬を得ている人も。
  2. スキルアップ
    新しいプログラミング言語やデザインツールを副業で習得し、それが評価されて本業での昇進や転職に成功したという事例もあります。
  3. 自己成長・視野拡大
    異なる業界や職種を経験することで、本業では得られなかった知識や人脈を得られるメリットがあります。
  4. 時間管理の難しさ
    本業と副業を両立するためには、スケジュール管理や優先順位づけの徹底が必要。特に複数の副業を掛け持ちする「複業」をしている人は、時間の使い方を工夫しないと体調を崩しやすいという声があります。
  5. 本業への影響
    副業で過度に疲弊し、結果的に本業のパフォーマンスを落としてしまう人もいます。ある体験談では、副業を2年続けた結果、慢性的な睡眠不足に陥り本業に悪影響が出てしまったとのことです。

まとめ

2025年現在、副業はますます多くの人にとって身近な選択肢となりました。スキルアップや自己実現を目的とした副業、地域活性化の一端を担う地方企業とのマッチング、副業を複数同時に行う「複業」など、多様なスタイルが登場し、副業をめぐる社会環境がさらに整いつつあります。

副業には収入増加やスキルアップなど多くのメリットがある一方で、時間管理や健康管理、本業とのバランスなど、乗り越えるべき課題も存在します。また、就業規則や法律、税金面で注意すべきことが多いため、これから副業を始める人は事前によく調べ、しっかりと計画を立てることが重要です。

しかし、変化の激しいこの時代において、個人が一つの企業や職種に依存し続けるのは必ずしも安定といえなくなってきました。そんな時代背景だからこそ、自分に合った副業を見つけることで、キャリアの選択肢を増やし、リスクを分散し、さらには自己成長にもつなげることができます。副業は今や「特別な人だけの選択肢」ではなく、幅広い層が挑戦できる身近な手段になりました。

もしまだ副業に踏み出していない方は、この記事をきっかけにぜひ挑戦を検討してみてください。一歩踏み出すことで、きっと新しい景色やチャンスが見えてくるはずです。2025年の副業を活用して、より豊かなキャリアと生活を手に入れましょう

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